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今治市の焼き鳥 |
愛媛県今治市の焼鳥は串に刺さずに焼き上げるのが特徴です。
そして焼くのは炭火等の直火焼きではなく、全国的にも珍しい鉄板焼きになります。
私の大好きな一品で、お酒のオツマミとして最高なんですよね!
焼き方
熱々の鉄板の上に鶏皮を並べ、取っ手の付いた金属のコテのような調理器具で押さえつけて焼き上げます。
押さえつけるやいなやジュージューと音を立てて、鶏皮から脂が流れ出し香ばしい香りを漂わせます。
熱された鶏の脂で鶏肉をパリッと焼き上げ、コクと旨味を含んだ鶏の脂が美味しい調味料となり、食べると外側が香ばしくカリッとした食感、次にジューシーな肉汁が口のなかに広がります。
タレは醤油ベースで甘ったるく無いスッキリとした味が特徴ですが、店によっては塩のみを使ったりと様々な味わいを楽しむことができます。
鶏肉の部位も鶏皮だけではなく、せせり、砂ずり、肝などがあり、いろいろな鉄板焼きバージョンがあって飽きさせません。
調理法の由来
この調理法、今治ならではの由来があるそうです。
今治は商売人が多かったという理由から、せっかちで待つことを嫌うという方が多かったのでこの調理法が生まれたとか。
金属のコテで押し付けることによって鶏皮が蒸され、火の通りが早くなり素早く提供することが可能となりました。
まさに合理的ですよね!
今治の鉄板焼鳥スタイルを考案した店
広く知られているのが、『五味鳥(ごみどり)』です。
創業は、昭和36年(1961年)創業の老舗焼鳥店。
五味鳥は一度閉店しましたが、2020年に場所を変えて復活オープンしています。
今治の焼鳥以外の鶏肉料理
『せんざんき』という鶏肉の唐揚げがあります。
愛媛県今治市を中心とする東予地方の郷土料理で、醤油、酒、生姜、ニンニク等で下味をつけて片栗粉をまぶして揚げた骨付き鶏肉の唐揚げです。
見た目は一般的な唐揚げと同じなのですが、歴史的には近見山でキジを捕獲して揚げた料理が始まりとされています。
鶏肉の唐揚げなのに『せんざんき』というネーミングは奇妙ですよね。
これは幾つかの説があるそうです。
- 鶏を丸ごと千の数のように包丁で斬るため『千斬切(せんざんき)』と呼ぶようになった。
- 中国料理の骨付鶏のから揚げを意味する『軟炸鶏(エンザーチ)』が訛って『せんざんき』となった。
- 中国料理の骨なし鶏のから揚げを意味する『清炸鶏(チンザーチ)』が訛って『せんざんき』となった。
『せんざんき』と呼ばれる鶏肉の唐揚げの誕生は約300年前のことなのですが、文献史料に詳細等は見つかっていないということで、これらは推測となってしまっています。
以上のような代表的な鶏肉料理は今治の狩猟文化から始まり、現代の養鶏業の発達により生まれた食文化になります。
機会がありましたら今治の鶏肉料理を楽しんでみてください!
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