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白菜のクリーム煮込み |
いつもはイカ等の魚介類を使って作るのですが、今回はシンプルに白菜だけを使って仕上げてみました。
白い素材を白く仕上げるという、見た目にも優しい野菜料理です。
北京の冬野菜といえば白菜です。
寒い時にはピッタリの白菜を使った中国の家庭料理なのだそうです。
白菜の上品な味わいに、濃縮ミルク(エバミルク)でコクを加えています。
ちなみに、この料理は中国語で『奶油白菜(nai3you2bai2cai4)』と書きます。
直訳すると『クリーム白菜』
中国の伝統的な料理かというと、そうではなく、近年の中国の経済発展とともに登場した新しいスタイルの料理だといわれていて、一体どの地域で誕生し一体誰が考案したのか曖昧な洋風寄りの創作中国料理のような感じがあります。
白菜
白菜の原種は、アブラナ科アブラナ属に属する植物であるブラッシカ・ラパ(Brassica rapa)。
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ブラッシカ・ラパ |
ヨーロッパの北東部からトルコにかけての地域から中央アジアを経由して紀元前の中国に伝わると栽培されるようになり、7世紀の揚州で、華北のカブ(アジア系)と、華南のパクチョイ(体菜)が交雑して生じた牛肚菘(ぎゅうとそん/ニウトウソン)が、最初のハクサイだと考えられています。
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パクチョイ(体菜) |
ちなみに、牛肚菘という言葉はまず見たり聞いたりしないですよね。
『牛肚』は牛の胃袋のような形状(葉が重なり合う様子が牛の胃袋に似ていることから)を意味していて、『菘』は古代中国でアブラナ科の葉物野菜を指す言葉なのだそうです。
当初の白菜は結球性が弱く、シロナに近かったそうです。
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シロナ |
16~18世紀にかけて結球性を持つものが現れ品種改良が進んだ結果、現在見られる白菜が生まれました。
明治10年(1877年)に東京・上野公園で開かれた博覧会(第1回内国勧業博覧会)に中国からの出品という形でお披露目されます。
その後、日清戦争(1894~1895年)、日露戦争(1904~1905年)に従軍した日本の農村出身の兵士たちが、大陸で白菜を食べ、種を持ち帰り、それが全国に広まるきっかけとなったと言われています。
そして日本で一般的に食べるようになったのは20世紀に入ってからで、特に昭和初期以降(江戸時代以前から漬け菜の材料として非結球種が渡来していたそうですが定着はしていなかったそうです)とされています。
材料(2人分)
- 白菜・・・12/1株
- 鶏ガラスープ・・・300ml
- 紹興酒・・・大さじ0.5杯
- 塩・・・小さじ4/1杯
- エバミルク・・・40ml
- 水溶き片栗粉・・・大さじ0.5杯
代用食品
上記の材料が揃わない場合の代用の食材の一例です。
家にある食材を使って作ってみてください!
なにか新しい発見があるかもしれません!
- 白菜の代用・・・青梗菜
- エバミルクの代用・・・生クリーム、豆乳
作り方
白菜は同じように火が通るように、堅い部分は小さく、柔らかい部分は大きめに切ります。
中華鍋に油をひいて熱し、鶏ガラスープと紹興酒を入れて強火で火に掛け、堅い部分の白菜を入れて一煮立ちさせ、中央の柔らかい部分、葉先のさらに柔らかい部分を順番に入れて、さらに煮ます。
葉先に火が通ってきた頃合いに、塩を入れて味を調え、エバミルクを回し入れます。
コクを出すような感じで軽く煮詰めます。
強火にして、水溶き片栗粉を加えてとろみを付けて出来上がりです。
食材の旬
- 白菜:11~2月
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